雑誌編集者として多忙な日々を送る38歳の和雄は原因不明の体調不良に悩み、病院の神経科にたどり着く。風変わりな医師伊良部に「ストレス性の症状」と診断されたのをきっかけに、水泳を始める和雄だが……。表題作をはじめ、現代社会の悩める人々を独自のセオリーで癒していく神経科医、伊良部の活躍を描く傑作短編全5編を完全英訳。
岐阜県出身。雑誌編集者、プランナー、コピーライターを経て1997年『ウランバーナの森』刊行。2004年、神経科医・伊良部一郎シリーズ2作目『空中ブランコ』で第131回直木賞を受賞。主な著書に『邪悪』(第4回大藪春彦賞)、『東京物語』、『イン・ザ・ブール』、『野球の国』、『真夜中のマーチ』、『マドンナ』、『サウスバウンド』、『ララピポ』、『ガール』他多数。