17世紀、晩年の宮本武蔵が書いた兵法書、五輪書。この古い読み物は、ハーバード・ビジネス・スクールで経営学のテキストとして採用された実績をもっています。江戸時代の剣法の書が、現代アメリカのトップ・ビジネスパーソンたちに愛読されるその理由とは、究極の現実主義者である宮本武蔵が、どんな困難な状況においても勝ち抜くための哲理を伝授してくれる、人生の指南書ともなりうる内容であったためでした。宮本武蔵という剣豪の哲学を楽しむことはもちろん、経営哲学の書としても有用です。大きな活字と難解単語の語注つきだから、日本人にも読みこなせる一冊!
1584年 (天正12) 生まれ。1645年 (正保2) 死去。二天一流という二刀流剣法の祖。号は二天、名は玄信。『五輪書』では播磨国 (兵庫県) 生まれと記されているが、美作 (岡山県) 生まれの説もある。13歳のときから生涯で60余度の真剣勝負を行い、一度も負けなかったとされる。1612年 (慶長17)、武蔵29歳のときの佐々木小次郎との巌流島 (舟島;山口県下関市) の決闘はあまりにも有名。1943年 (寛永19) 10月から岩戸山 (熊本県) の霊巌洞にこもり『五輪書』の執筆を始める。「枯木鳴鵙図」「芦雁図」など、書画でも優れた作品を残した。
30年以上にわたって、日本の大手出版社に編集者として勤務。独立後、フリーの翻訳者・編集者として活躍。著作に『英語で読むジェフ・ベゾス』(IBC対訳ライブラリー Jeff Bezos’s Ambition)、翻訳書に日野原重明著『生き方上手』(ラダーシリーズ Living Long, Living Good)、矢野功著『まんが宮沢賢治』(The Manga Biography of Kenji Miyazawa) など多数。2005年に、オンデマンド出版社 Japan & Stuff Press を設立。