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石井正仁氏インタビュー

ラダーシリーズ『地球温暖化』刊行にあたり、石井正仁先生(東京都立国分寺高等学校教諭)にお話を伺いました。
―『地球温暖化』を執筆された経緯をお聞かせ下さい。
高校生が読む海外の本を見ていて、自然科学系の読みやすいものがあまりないなと感じていました。それと、やはり環境問題自体が、今とても大切なテーマです。社会科では扱っていますので、高校生なら知識のバックグラウンドはある程度あります。それを英語で読むということは、他の話題に比べて抵抗感が少なく読みやすいのではないかと思いました。その2点をふまえて、文科系的な発想と理科系的な発想の両方がうまく入り混じったもので、なおかつ高校生や大学生が簡単に読める語彙のものを書こうと思いました。

洋書の場合、日本の学習者との間に少し「語彙の開き」があるというか、カバーできる語彙に若干のずれがあります。ですから、日本の高校生に合った英語レベルで、なおかつトピックとしても内容としても高校生や大学生が読むのにふさわしいものが望まれています。高校生は語彙的にはネイティブの小学校5、6年生程度ですが、小学校5、6年生向けの自然科学系の洋書というと、随分やさしいトピックになってしまいます。もう少し掘り下げてほしいなというところで終わってしまいます。その辺がちょうどうまく合ったものをと考えました。


―英語の先生として、どのような切り口で「地球温暖化」を取り上げたのでしょうか?
自然現象だけではなく、歴史や社会など、どちらかというと文科系サイドの視点から見た「地球温暖化」を取り上げています。例えば、現在の世界の平均気温は約15℃ぐらいだと言われています。では氷河期はどうだったのだろうと単純に思いますよね。マイナスなのかなとか、寒いんだろうなと思っていたのですが、実は13℃前後なんです。2、3℃しか変わらないのに北半球が氷河に覆われていたんです。ほんの少しの差で現象が大きく変わってしまうという事実が、文科系の人間からみると新鮮な驚きですよね。そういう視点で書きましたので、どちらかというと科学に弱い人が、いろいろ発見できる本です。私自身も「あ、そうなんだ!」という感じで発見があり、執筆していて楽しかったですね。

―自然科学が苦手でも、楽しく読めそうですね。
そうですね。各トピックは短く簡潔で、グラフや表などの資料に加え、イメージを喚起するかわいいイラストがあり、わかりやすく読みやすい構成になっています。最初のほうに「対流圏」や「成層圏」といった難しい単語がありますが、イラストを見ながら読むうちに文脈から理解できると思います。地球が直径3メートルの球だとすると、対流圏は0.03ミリしかない、ものすごく薄い層なんですよね。大気はものすごく膨大な量があると思いがちですが、日常の気象の変動はその薄い層の中でしか起きていないということがわかれば、単語の意味も自然に理解できると思います。

―環境問題は生活と関わりが深い重要な問題ですよね。
今年は特に異常気象が騒がれていますね。オーストラリアでは旱魃だと聞きました。今まであまり話題に上っていなかった海洋循環についても、だいぶ一般的になってきました。今までは、「エルニーニョは太平洋で起きている。」「メキシコ湾流がヨーロッパに流れるからヨーロッパは暖かい。」というように、地域別に関連性があまりないようなとらわれ方で、私も学生時代そのように地理で教わりました。しかし今は、ひとつの大きな流れが世界中を動いていることが広く認識されるようになってきました。例えば、北極の氷が溶けて海流の向きが変わると、ヨーロッパや北米は逆に寒冷化する危険性がある。温暖化によって世界全体が影響を受けます。そういう視点で地球温暖化をとらえました。

―どんなふうに読んでもらいたいですか?
多読をしていく中でのひとつのチョイスにしていただければと思います。卒業して大学生になった教え子たちによると、大学生になった途端に英語力が落ち始めるそうです。それを維持していけるような面白いものを教えてほしいとよく頼まれます。かと言って、すぐペーパーバックを読めるほどの英語力はまだついていません。そのような方にペーパーバックへのブリッジ的な本として読んでほしいと思っています。

―教材としてはどのように利用できるでしょうか?
学校で使っていただく場合でも同じですね。わずか8,400語ですから、1日500語ずつでも3週間以内で読めてしまいます。サイドリーダー、夏休みの課題、センター試験前のブラッシュアップ的なものとして、あるいは文章や内容に馴染むための手段としても使っていただけると思います。

環境問題は入試でも定番のテーマですから、「温室効果」や「化石燃料」といった単語は教科書でもよく使われます。本書の中にはそのような環境の単語がてんこ盛りで、しかも繰り返し出てくるので、文脈の中で自然に覚えられると思います。

また、京都議定書や公共規格のISOのような、教科を超えたトピックにも触れています。ISOの中に環境保全の規格があるということに触れている本は、日本語でもまだ少ないようですね。そういった社会科学系の情報も、少しですが入っています。


―英語のレベルはどれくらいでしょうか?
語彙からみると高校3年生程度ですね。具体的には、センター試験の200点満点中160点以上を目指している方であれば、だいたい3年生の夏ぐらいから読めると思います。ただ、ラダーシリーズは後ろに辞書がついており、わからない語はそれを見て読み進むことができるので、レベルにとらわれずどんどんチャレンジしていただきたいです。
ラダーシリーズのグレードでは、専門的な単語や表現が入っているのでレベル5と高くなっていますがですが、全体のトーンとしてはレベル3〜4ぐらいのつもりで書きました。同じレベルでも、ビジネス系のかっちりしたものに比べると文章はやさしいと思います。

―大学入試に役立つポイントは?
大学入試のトピックで一番多いのは日常生活と異文化理解です。文章の種類としては圧倒的に評論文です。そういう意味でも、評論系の文章を読み慣れるということが大切になってきます。キーになる事実をおさえる読み方ですね。

それから、使用語彙をコントロールしていますので、いわゆる受験的表現・構文もかなり盛り込まれています。その辺は現場にいる者が書いた強みと言いますか、海外の英文リーダーにはない特長です。
「なんだ、簡単そうだな」という感じで読み始められるように、最初の章はやさしく、後ろのほうはほとんど制限をかけずにという形で、使用語彙と表現の難易度にグラデーションをかけています。厳密にではありませんが、最初はセンター試験レベルで始まって、最後のほうは一般入試レベル程度に上っていきます。

文科系の大学入試における理科の選択科目では、地学が圧倒的に人気だそうです。そういう意味でも、文科系の方も飽きずに読めるような内容になっています。
■石井正仁氏プロフィール
東京都立武蔵高校教諭。代表を務めるTokyo English Learner's Forumでは、中高の先生方を対象としたワークショップ、メーカーや出版社と協同で教材の開発を行っている。著書に『英語教育と総合的な学習』(共著 三省堂)、『Listening Essential』(共著 啓隆社)などの大学・高校生向けのリスニング・速読教材多数。
小さい頃に米軍基地の近くに住んでいたことで英語に親しみを持つが、本格的に始めたのは大学時代。C.S.ルイスやJ.R.R.トールキンなどの児童文学を通して英語を学んだ。国分寺高校はオーストラリアのアデレードにあるHallett Cove Schoolと姉妹校提携をしており、生徒の引率として毎年オーストラリアを訪れ、異文化交流、情報収集、オーストラリア英語の習得に励んでいる。
英語の授業に多読を取り入れ、従来は年間4〜5冊程度だった英文読書量を年間20冊に増やしたところ、なんと生徒300人のセンター試験の平均スコアが20点近く上り、200点満点中160点を超えた。

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  石井 正仁氏写真
石井正仁
Masahiro Ishii

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表紙画像
Global Warming: History, Science and Politics
『地球温暖化』

石井正仁 著
ISBN 9784896844399
表紙画像
Endangered Species
『絶滅危惧種』

石井正仁 著
ISBN 9784794600875
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