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ブランコ・マノイロビッチ氏 インタビュー

ラダーシリーズレベル2『落語』のナレーションを担当してくださった、英語落語家のブランコ・マノイロビッチさんにお話を伺いました。
* インタビューの日本語訳はこちら
Why were you interested in RAKUGO?
To tell the truth, it was by chance. In London I was teaching English at an international language school and I came over to Japan to look for a teaching job. I found a small language school in downtown Osaka. During the interview, the boss asked me "Would you like to practice RAKUGO?" He and Shijaku san, who is a very famous RAKUGO-KA, actually set up EIGO-RAKUGO in Japan. They were the first people to come up with the idea of EIGO-RAKUGO. So this small language school also turned out to be an English RAKUGO School as well, which I didn't know before the interview. And I said “Yes, sure. I’d like to try”.
So I went to the workshop. As soon as I entered the room many Japanese students greeted me with "Hi Branko, come over to the stage!" I said, "No no, I'm just here to watch." But they insisted and pushed me onto the small stage to do a very short RAKUGO, which is callled MAKURA. MAKURA is a joke before RAKUGO. So I did it and they were like "Yeah!" and clapped and clapped. You know, Japanese are so enthusiastic sometimes. So they really gave me a big encouragement to continue. I went to those kinds of workshops for a while. That's how I started. That was about four years ago. Before coming to Japan, I had no idea about RAKUGO. RAKUGO is not so famous outside. We know KABUKI, maybe NOH, but RAKUGO is still very much unknown.

―What did you think about RAKUGO?
I liked it very much. Some stories were very funny and had a human side to it. Quite different from what we have in the West. We have stand-up comedians, who are very casual, telling joke after joke, story after story, all set in the contemporary world. But RAKUGO is more formal and less concerned with the time setting. It is also a good way to learn about Japanese culture, customs and peoples' characters. It is a written story. I think sometimes it's a bit funnier just for that reason of timelessness.
My favorites are "Toki-Udon" which is called "Toki-Soba" in Kanto area and "Eye Doctor". I created some RAKUGO myself too. One is called "Time Machine" in which Eddie Murphy meets Sean Connery, and they travel by time machine to Sengoku Era in Japan, and eventually meet samurai Toshiro Mifune and Bob Sapp, who plays the God Enma Daio. It's a sort of mixture of RAKUGO and stand-up comedy.

―Your students must enjoy learning English through RAKUGO.
I hope so. Some of them are talented too. I am not professional but I have a lot of stage experience. So when they ask me something, I give them advice. How to say the sentences and the phrases or ways to express emotion. You know, voice intonation is so important in English. We express emotion through emphasizing certain words or parts of the sentence. For example, if your voice goes up at the end of the sentence, you are inquiring. You are not sure. But if it goes down, you think you are sure. Those small things I can advise them about.
And RAKUGO has lots of dialogue. I like that part. It's natural and it's about people. It's often about people's faults or misgivings, and it can be terribly insightful and funny at the same time.

―Please give some advice or message to the readers.
Often my students ask me "What's the quickest way to learn English?" There is no magic formula, I'm afraid. For people who like music or movies, and most people do, I advice them to watch DVDs. Especially the ones they like, they enjoy. And if it's possible, you should use subtitles. That way you can see what people in the movies are exactly talking about. If you still don't understand, they can rewind and try again. Movies, music lyrics, books and RAKUGO are all very good ways to learn English. And don't forget to make foreign friends, if you can.

<インタビュー日本語訳>
―なぜ落語に興味を持ったのですか?
実は、偶然なんです。私は、いろいろな国籍の人が通うロンドンの語学学校で英語を教えていました。その後、教師の仕事を探しに日本へきて、大阪の中心地で小さな語学学校を見つけ、その面接官に「落語を勉強してみないか」と誘われました。実は、その方は有名な落語家である桂枝雀さんとともに、日本で英語落語を作った方だったのです。つまり最初に英語落語を思いついた人だったのです。ですから、面接を受けるまでは知りませんでしたが、この小さな語学学校は、英語で落語を学ぶ学校でもありました。私は、「はい、ぜひやってみたいです」と答えました。

それで私はワークショップに参加しました。教室に入るや否や、そこにいたたくさんの日本人の生徒達が、「やあ、ブランコ! ステージに上がって!」と言って迎えてくれました。「いやいや、見に来ただけだから」と言いましたが、彼らにせがまれ小さなステージに押し上げられてしまい、「まくら」を演じる羽目になりました。「まくら」とは、落語の前に演じる小咄のことです。私が演じると、生徒達は盛り上がりまして、「イェーイ!」という感じで拍手してくれました。日本人はすごく熱狂的になることがありますよね。でもそこで英語落語を演じていく勇気をもらいました。しばらくそのようなワークショップに通いました。

これがきっかけで落語を始めるようになりました。約4年前のことです。日本に来る前は、落語のことなど全く知りませんでした。海外では歌舞伎は有名で、能もけっこう知られています。しかし、落語はまだあまり知られていません。

落語についてどう思いましたか?
すごく好きになりました。とてもおもしろい咄や人間味あふれる咄があります。欧米のものとは全く違います。欧米にいるスタンダップ・コメディアンは、もっと形式ばらずに即興で冗談や小咄を次々と繰り出しますし、それらは全て現代のことをテーマにしています。落語はもっとフォーマルですが、時代背景にはあまり影響を受けません。また、落語は日本の文化や習慣、人々の性質を学ぶのにはとてもいい方法です。書かれた物語ですし。時代を超越できるという点で、落語のほうがおもしろいと思うこともあります。

私のお気に入りは「ときうどん」です。関東では「ときそば」ですね。それと「犬の目」が好きです。私自身も落語を創作しました。その中のひとつ、「タイム・マシン」は、エディ・マーフィがショーン・コネリーに出会い、タイム・マシンに乗って日本の戦国時代に行き、実際に三船敏郎の侍とボブ・サップ演じる閻魔大王に会うという咄です。なんというか、落語とスタンダップ・コメディが合体したようなものです。

生徒さんたちは落語を通して、楽しみながら英語を学んでいらっしゃるでしょうね。
そうだといいですね。中には筋のいい生徒もいます。私はプロではありませんが、舞台での経験はたくさんありますので、彼らが何か聞きたいことがあれば、文章や言葉をどう言ったらいいかとか、感情をどう表現すればよいか等、アドバイスを与えます。英語において声の抑揚はとても重要ですからね。文章の中のある言葉や部分を強調することによって、感情を表現するのです。例えば、文章の末尾で声のトーンを上げると、問いかけになります。確信していないのです。しかし、トーンを下げれば、確信していることになります。このような小さなことをアドバイスすることができます。

さらに、落語にはたくさんの会話文があります。そこも私の好きな部分です。自然な感じがしますし、人間のことがよく表現されています。それは人間の失敗や不安だったりもしますが、おもしろおかしくもあり、同時にとても鋭い洞察でもあります。

読者の皆様にアドバイスもしくはメッセージをお願いします。
生徒たちはよく、「英語を習得する最短の方法は何ですか」と尋ねてきますが、残念ながら魔法のような習得方法はありません。音楽や映画が好きな方には、DVDを見ることをお勧めします。特に自分の好きな、楽しめる作品がいいでしょう。できれば、(英語の)字幕を付けて見るといいですね。そうすれば、登場人物が何を話しているのかが正確にわかります。理解できないときは、巻き戻して見直すこともできます。

映画や歌詞、本、そして落語は、英語を勉強するとてもよい方法です。そして、できれば、外国人の友達を作ることもお忘れなく。


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  ブランコ・マノイロビッチ氏写真
ブランコ・マノイロビッチ
Branko Manojlovic
イギリス・ロンドンで英語教師のかたわら、役者・ナレーターとして活躍。2002年に来日し、シェイクスピア劇で培った演技力と魅力的な声が人気の英語落語家に。全国各地で開催される国際交流イベントや英語落語会に多数出演。京都在住。



★英語落語に関する情報はこちら
落語家の桂かい枝さんが運営するウェブサイト
「英語落語 日本の笑いを世界へ!!」

表紙画像
RAKUGO
『落語』
中山幸男 著
ISBN 4-89684-281-2



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