ホームズがライヘンバッハの滝でその姿を消してはや数年。ロンドンではロナルド・アデア卿殺人事件の話題でもちきりだった。ホームズにならって推理してみようとするワトソンの前に、老人が1人現れる。読者を歓喜にわかせたホームズの復活作『空き家の冒険』をはじめ、暗号解読に挑む『踊る人形』、自転車のタイヤ痕、動物の足跡などを手がかりに行方不明の生徒を捜索する『プライオリ・スクール』、破壊されたナポレオン像の謎を追う『6つのナポレオン像』の4篇を収録。
イギリス、エディンバラ生まれ。医大を卒業し診療所を開業するが順調にいかず、仕事の合間に小説を書き始める。最初のホームズ作品『緋色の研究』は話題とならなかったが、『ストランド・マガジン』に連載を始めてから、絶大な人気を得ることとなった。長年にわたって執筆を続けたホームズ作品は40篇以上。推理小説以外にも、歴史小説やSFなどを発表している。