ベルギーのフランダース地方を舞台にした詩情あふれる児童文学の名作。両親を亡くした少年ネロは、アントワープ郊外に住む祖父のジェハンに引き取られた。ふたりの生活には、やがて犬のパトラッシュが加わる。牛乳運びの仕事をしながら、貧しくも幸せに暮らすネロとジェハン、そしてパトラッシュ。巨匠ルーペンスにあこがれ、ネロは画家を志す。しかし貧しさゆえに、行く手にはさまざまな困難が待ち受けていた。詩情にあふれ、長く親しまれてきた児童文学の名作。
フランス人の父とイギリス人の母との間に誕生。本名は Marie Louise de la Ramée。20歳で創作活動を始め、ウィーダのペンネームで多数のロマンス小説を出版、人気を博す。ベルギーのフランダース地方を舞台にした『フランダースの犬』は、実際にアントワープ地方を旅行して、その発想を得た。のちにイタリアへ移住、晩年期を過ごす。